« 【大学院生対象】2007年度東京大学学術研究活動等奨励事業(国内)募集のお知らせ | メイン | 【博士課程・出身者対象】獨協大学外国語学部フランス語学科教員募集のお知らせ(二点) »

学部後期課程・夏季集中講義のお知らせ(二点)

今年の夏に行われる集中講義二点の日程が決まりましたのでお知らせします。

・特殊講義III(33018)小坂井敏晶先生
・フランス歴史社会論II(33002)竹中幸史先生

の二点です。フランス科後期課程以外の学生さんでも、ご興味のある方は奮ってご参加下さい。

●特殊講義III(33018)小坂井敏晶先生「責任という虚構」
2007年7月23日(月)〜27日(金) 2~4限 於 5号館 516教室

内容:
昨年度の講義に引き続き、個人・集団責任の論理構造を分析する。ホロコースト、そしてフランスおよび日本で生じた冤罪事件を主な題材にとり、集団力学が生み出す社会現象として責任を把握する。因果関係に関する哲学上の問題を再考するとともに、社会心理学や認知科学の側から、行為の因果関係的了解に対する疑問を提出し、そもそも責任は論理的に根拠づけうる概念なのかを検証する。

教科書・参考文献 : 
クリストファー・ブラウニング 『普通の人びと』
スタンレー・ミルグラム 『服従の心理』
小坂井敏晶 『民族という虚構』第三章および第五章、2002
浜田寿美男『自白の研究』、2005
P. Fauconnet, La responsabilité. Etude de sociologie, 1920
M. Neuberg, La responsabilité. Questions philosophiques, 1997
L.S. Newman and R. Erber (ed.), Understanding Genocide. The social psychology of the Holocaust, 2002

評価 : 講師の私見に対する批判的考察をレポートとして最終日に提出


●フランス歴史社会論II(33002)竹中幸史先生
2007年7月30日(月)〜8月3日(金) 2~4限
(8月1日・2日は3・4限のみ) 於 8号館 418教室

内容:
 近年、フランス革命史においては、政治や社会経済に着目した研究よりも、人々の日常生活、政治文化や心性に焦点を絞った研究が主流を占めるようになりました。そしてこうした分野の1つに社会的結合関係(ソシアビリテ)の歴史があります。ソシアビリテとは広く言えば人々が取り結ぶ社交関係のことであり、例えば政治クラブ、読書協会や宗教団体、また大学といった「かたちのある」ものから、行列や居酒屋、祭など明確な「かたちのない」ものまで様々に存在します。こうしたソシアビリテは日常生活の範囲だけでなく、問題関心や感性などを(意識的・無意識的に)反映しますから、ある時代を生きた人々の特徴を捉えるのにとても有効な概念となるわけです。
 それでは近代の始まりとされるフランス革命の前後で、人々のソシアビリテはいかに変化したのでしょうか? また革命によっていかなるソシアビリテが生み出されたのでしょうか? こうした問題を検討することを通じて、われわれの生きている社会や日常生活を相対的な視点で考え直すのが本講義のねらいです。そのさいノルマンディー地方の主邑ルーアンにおける政治クラブの活動や、当地における革命祭典の実態を具体的に取り上げて論じるつもりです。

参考文献 : 
とくに指定しないが、参考として:竹中幸史『フランス革命と結社』、昭和堂、2005

評価 : 
最終授業において試験。

About

2007年05月22日 15:31に投稿されたエントリーのページです。

ひとつ前の投稿は「【大学院生対象】2007年度東京大学学術研究活動等奨励事業(国内)募集のお知らせ」です。

次の投稿は「【博士課程・出身者対象】獨協大学外国語学部フランス語学科教員募集のお知らせ(二点)」です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。