Section Française Komaba / フランス科

伊達 聖伸 Date Kiyonobu

准教授

<研究テーマ>
宗教学。おもな研究対象は、近現代フランスとケベックの世俗と宗教の関係。ライシテ(脱宗教性、政教分離、世俗主義)をめぐって、共和国とは何か、フランスの普遍性と特異性とは何かを考えている。

<主要業績>
◇単著:
●『ライシテ、道徳、宗教学――もうひとつの近代フランス宗教史』(勁草書房, 10)
●『ライシテから読む現代フランス――政治と宗教のいま』(岩波新書, 18)

◇共著・分担執筆:
●「コントとルナン――実証主義的宗教史の今日的可能性と不可能性」(『宗教史とは何か【上巻】』 リトン, 08)
●「宗教革命としての民衆教育――キネの宗教的自由主義と共和主義」(『社会統合と宗教的なもの――十九世紀フランスの経験』 白水社, 11)
● « L’enseignement de la morale dans le département du Nord au temps de la laïcisation (1870-1914) » (Transmettre les valeurs morales : Des réformes religieuses du XVIe siècle aux années 1960, Riveneuve, 13)
●「19世紀フランスにおける市民宗教の諸相――コント、トクヴィル、デュルケム」(『ルソーと近代――ルソーの回帰・ルソーへの回帰』風行社, 14)
●「文学と思想」(『十九世紀フランス文学を学ぶ人のために』世界思想社, 14)
● « De la laïcité de séparation à la laïcité de reconnaissance au Japon ? » (Laïcité, laïcités : Reconfigurations et nouveau défis, Éditions de la Maison des sciences de l’homme, 14)
●「ケベックの文化的アイデンティティと多文化共生の試み」(『北米研究入門――「ナショナル」を問いなおす』上智大学出版, 15)
●「社会主義と宗教的なもの――ジャン・ジョレス」(『共和国か宗教か、それとも――十九世紀フランスの光と闇』白水社, 15)
●「フランスにおける「承認のライシテ」とその両義性――ムスリムの声は聞こえているか」(『他者論的転回――宗教と公共空間』ナカニシヤ出版, 16)
● « Kishimoto Hideo et la laïcité du Japon : Parcours d’un chercheur japonais en sciences religieuses de l’après-guerre » (Croire, s’engager, chercher : Autour de Jean Baubérot, du protestantisme à la laïcité, Brepols, 16)
● « « L’amour pour principe, la durée pour base, la création pour but ?» Quelques points de convergence entre Comte et Bergson » (Considérations inactuelles : Bergson et la philosophie française du XIXe siècle, OLMS , 17)
● 「宗教的なものの軌跡から見る現代社会の危機――日仏比較を通して」(『対立する国家と学問――危機に立ち向かう人文社会科学』勉誠出版, 18)
●「「宗教的なもの」をとらえ返す近現代フランスと「西アジア」に対する眼差し――マルセル・ゴーシェ、ルイ・マシニョン、ムハンマド・アルクーン」(『イスラームは特殊か――西アジアの宗教と政治の系譜』勁草書房, 18)
●「ヴォルテールと寛容」「ライシテの確立――コンコルダートから政教分離法へ」「ライシテの現在――反スカーフ法とブルキニ論争」(『よくわかるフランス近現代史』ミネルヴァ書房, 18)
●「欧州人権裁判所におけるヴェールと十字架――イスラームに向きあう世俗的ヨーロッパのキリスト教的な系譜」(『政治化する宗教、宗教化する政治』(いま宗教に向きあう4世界編II)岩波書店, 19)

◇論文:
●「フランス第三共和政におけるライックな道徳と宗教についての試論――1880年代における教育改革とその影響を中心に――」(『宗教研究』332号, 02)
●「ライシテは市民宗教か」(『宗教研究』354号, 07)
●「死者をいかに生かし続けるか――オーギュスト・コントにおける死者崇拝の構造」(『死生学研究』第10号, 08)
●「デュルケムと市民宗教――ルソーとベラーのあいだ」(『東北宗教学』第5号, 09)
●「ニコラ・サルコジの『ポジティヴなライシテ』と市民宗教の論理――2007年から2008年の発言を中心に」(『東北福祉大学研究紀要』第34巻, 10)
●「2つのライシテ――スタジ委員会報告書とブシャール=テイラー委員会報告書を読む」(『宗教法』第29号, 10)
●「多面体としてのライシテ――政教関係の国際比較のために」(『日仏社会学会年報』第20号, 10)
●“Organ Transplants and Japanese Views of Life and Death : Talking with Living Pediatric Liver Donors”(Bulletin of Death and Life Studies, vol.7, 11)
● « Les rapports entre la laïcisation et les avancées des droits de l’homme au Japon » (Croisements, n°1, 11)
●「宗教を伝達する学校――ケベックのライシテと道徳・倫理・文化・スピリチュアリティ」(『宗教研究』369号, 11)
●「現代ケベックの倫理・宗教文化教育――小学校の教科書の分析を通して」(『ケベック研究』第3号)
●「ライシテへの3つのアプローチ――マルセル・ゴーシェ、ジャン・ボベロ、ルネ・レモンの著作にみる研究動向の一断面」(『宗教法』第31号, 12)
● « La crise de l’école au Japon : problématiques structurelles et statut du religieux » (Cahiers Ferdiand Dumont, n°2, 12)
● « Les postérités de la religion civile dans la France du XIXe siècle : Comte, Tocqueville, Durkheim » (Bulletin of the Faculty of Foreign Studies, Sophia University, No.47 (2012), 13)
●「「2つのフランスの争い」のなかの社会的カトリシズム――マルク・サンニエ「シヨン」の軌跡1894~1910」(『上智ヨーロッパ研究』第5号(2012年度), 13)
●「フランスにおける宗教学・宗教研究の歴史的条件と一般的特徴――EPHEの展開を中心に」(『東京大学宗教学年報』XXX(特別号), 13)
●「シャルル・モーラスにおける宗教的ナショナリズムの思想構造」(日本政治学会編『宗教と政治』(年報政治学2013-I), 木鐸社, 13)
● « La laïcité de reconnaissance s’enracine-t-elle au Japon ? » (Diversité urbaine, vol. 13, n°1, 13)
●「ヴォルテールとシャトーブリアンの宗教批判――「寛容」から「自由」へ」(『東京大学宗教学年報』XXXI, 13)
●「フランスにおけるイスラームの制度化と表象の限界――宗教を管理するライシテの論理」(『ODYSSEUS』別冊2(2014), 15)
●「イスラームはいつ、いかにしてフランスの宗教になったのか」(『宗教研究』383号, 15)
●「フランスにおける自己決定とその宗教的・文化的背景」(『文化と哲学』32号, 15)
●“Laïcité in Late Nineteenth-Century France and Its Significance Today,” (Sophia Journal of European Studies, Vol. 8 (2015), 16)
● « Les enjeux de la fin de vie et de la mort dans la dignité au Japon : Une réflexion au miroir du cas français » (Bulletin of the Faculty of Foreign Studies, Sophia University, No.50 (2015), 16)
● « Quel avenir de la mémoire ? Les postérités de L’Avenir de la mémoire de Fernand Dumont » (The Journal of American and Canadian Studies, No.33 (2015), 16)
●「ケベックにおける間文化主義的なライシテ――その誕生と試練(上)」(『思想』1110号, 16)
●「ケベックにおける間文化主義的なライシテ――その誕生と試練(下)」(『思想』1111号, 16)
●“ “Religious Revival” in the Political World in Contemporary Japan with Special Reference to Religious Groups and Political Parties,” (Journal of Religion In Japan, Volume 5, 16)
●「フランスにおけるムスリムとの共生――アブダル・マリクの場合」(『神奈川大学評論』86号, 17)
●「アブデヌール・ビダールにおけるライシテとイスラーム」(『フランス哲学・思想研究』第22号, 17)
●「フランス、ベルギー、ケベックのライシテを比較する――成り立ちと現在の課題から」(『金城学院大学キリスト教文化研究所紀要』第21号(別冊), 17)
●「カトリシズムとセクシュアル・デモクラシー――フランスの同性婚反対運動とライシテ」(『上智ヨーロッパ研究』10(2017年度), 18)
●「論争のなかの「倫理・宗教文化」教育――近年の議論の動向と公共空間における「宗教」の位置」(『ケベック研究』第10号, 18)
●「ケベックのヴェール論争――争点の移動と対決の構図」(『思想』1134号, 18)
● « Des mythes nationaux du Japon contemporain : Entre le besoin de démythification et de déconstruction » (Bulletin of the Faculty of Foreign Studies, Sophia University, No.53 (2018), 19)
●「現代ケベックにおける「宗教の自由」――法廷は西洋的「宗教」概念を再強化するのか」(『アメリカ・カナダ研究』36号(2018年度), 19)

◇翻訳:
● ジャン・ボベロ『フランスにおける脱宗教性(ライシテ)の歴史』(白水社文庫クセジュ, 09, 共訳)
● マルセル・ゴーシェ『民主主義と宗教』(トランスビュー, 10, 共訳)
● ルネ・レモン『政教分離を問いなおす』(青土社, 10, 共訳)
● ナタリ・リュカ『セクトの宗教社会学』(白水社文庫クセジュ、14)
● フェルナン・デュモン『記憶の未来』(白水社、16)
● ジェラール・ブシャール『間文化主義(インターカルチュラリズム)――多文化共生の新しい可能性』(彩流社, 17, 共訳)

<URL>
地域文化研究専攻教員紹介:http://ask.c.u-tokyo.ac.jp/date.html