本ページは、教養学科地域文化研究分科フランス研究コースへの進学をお考えのみなさまに、本コースを簡単にご紹介するページです。
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◇フランス科とは?
地域文化研究分科は対象とする「地域」に応じた9つのコースから構成されますが、そのなかでフランス、ベルギー、スイスのみならず、アフリカ、カリブ海地域、ケベックなど世界各地へ及ぶフランス語圏をフィールドとするのが、「フランス研究コース」です。
「フランス科」それがこのコースの愛称です。わたしたちはこの呼び名をずっと使い続けていますが、制度上は2012年度の冬学期に「地域文化研究学科フランス分科」から「フランス研究コース」へ正式名称を改め、カリキュラムや履修の仕組みがすこし変わりました。とはいえ、先生方の構成をはじめ基本的な枠組みや学修上の原則は、根本的な変更なしにしっかりそのまま続いています。そして何より、愛称と同じくらい長く受け継がれてきた「精神」が、この研究室に今なお息づいています。
本ホームページ内の「フランス科とは」のページもご覧ください。
◇スタッフについて
フランス研究コースでは、専任教員をはじめ、多くのフランス語系の先生方が授業を担当されています。必修科目はさほど多くないため、それぞれの先生のご専門を反映した、多彩で魅力的な授業のなかから、学生の関心に応じて自由に時間割を組むことができます。また、学生にたいする先生の人数が比較的多く、多様な興味・関心をもつ個々の学生を尊重した、手厚い研究指導を受けることができるのもフランス科の特徴です。
では実際、どのような先生がいらっしゃるのでしょうか。本コース所属の先生方について詳しく知りたい方は、「スタッフ」のページをご覧ください。なお、上記のページで紹介されている先生方のほかにも、(フランス研究コース以外にご所属の)地域文化研究分科の先生方、超域文化科学分科に所属されるフランス語専任の先生方が、フランス文学、歴史、言語学等の関連する授業を担当されています。もちろん、そちらの授業を取ることもできます。
◇履修について
まず、フランス研究コースを卒業するには、合計76単位以上を取得することが必要です。他の地域文化研究分科のコースと共通で、その内訳は次のようになっています。
①高度教養科目:6単位以上
リレー形式を交えながら、教養学科所属の学生全体に向けて汎く開講される科目です。なお、サブメジャー・プログラム(後述)によって置き換えることができます。
②言語科目:22単位(+4単位)
地域文化研究分科の大きな柱、外国語科目です。質量ともに充実した精読・作文・会話・文法の授業によって外国語運用のための基礎を培いつつ、専門的なレヴェルへ踏み込んだ内容を扱います。フランス研究コースでは、フランス語18単位以上、かつ他の同一言語4単位以上の取得が求められています。また、22単位を超えて取得した場合、4単位までを卒業に必要な76単位に含めることができます。
③フランス研究コース科目:22単位以上
フランス研究コースの基幹部分を構成する科目です。フランス語テクストの丁寧な読解を軸としながら、歴史、思想、文学、社会を中心に、知見を積み重ねてゆきます。
④卒業論文:10単位
フランス科研究コースの卒業論文は、フランス語での執筆が義務づけられています。
①から④までを総計してもまだ60単位ですから、卒業にはさらに16単位を上積みしなければなりません(「〜以上」とあるのはそのためです)。この16単位には教職科目、特設科目、他学科・他学部の科目からも自由に組み込むことができます。
それにしても、卒論はフランス語だというし、けっこう負担が重そうだな……と思われるかもしれません。けれど、多分野をカバーする教員陣とネイティヴの特任教員による手厚い指導がありますので安心してください。まずは履修案内を隅々まで眺め、気になったところから飛び込んでみましょう。単位の配分も大切ですが、それを気にするのは後まわしでかまいません。予習、授業、予習……というサイクルをくりかえすうち、自然に息継ぎ、そして息抜きのコツもつかめてくることでしょう。
※年度毎に、上記の単位数の内訳や科目の位置づけ等が変更される可能性があります。進学後は、2022年度の『教養学部便覧(後期課程)』で確認してください。
※後期課程の授業シラバスについては「東京大学授業カタログ」(http://catalog.he.u-tokyo.ac.jp/)の後期課程版やUTASをご参照ください。
◇サブメジャー・プログラム
サブメジャー・プログラムは、学習の幅を広げるために設けられた仕組みです。おおまかには、高度教養科目(6単位以上必須)の代わりに、教養学科の各コースからひとつを選び、14単位(その内訳はコースごとに異なります)を取得するプログラムと考えてください。たとえば表象文化論や相関社会科学といった異なる分科のコースを選ぶことも、あるいはまたイギリスやドイツといった地域文化研究分科内の他コースを選ぶこともできます。さらに、コースを横断して独自のプログラムをカスタマイズすることだってできます(カスタマイズ型サブメジャー・プログラム)。カスタマイズ型では、あるテーマを設定し、そのテーマの下に取得する単位の内訳を学生自身が決めます。ただし、カスタマイズ型を利用できるのは地域文化研究分科のどれかのコースに所属する学生に限ります。
◇留学について
フランス科を進学先として考えている人の中には、フランスへの留学も視野に入れている人がいるのではないかと思います。実際にフランス科ではフランスへ留学する人が多数います。そのほとんどの人が利用している、東京大学の交換留学制度についてご紹介します。
交換留学とは、東京大学が学生交流協定を締結している海外の大学(協定校)に1学期〜1年間留学するプログラムのことです。留学先の大学で取った授業の単位は、東京大学での単位として互換することが可能で、留学期間中の学費は東京大学に納めれば良い、というのが主なメリットとなります。
以前は後期教養学部に独自のAIKOMという交換留学制度がありましたが、一昨年からは全学交換留学(USTEP)に完全に統合されました。3年生の秋学期から4年生の春学期にかけての留学を考えていらっしゃる場合の申込は、11月頃までとなっていますので、早めに情報を確認しておきましょう。
フランス科の学部生の主な留学先には、
パリ政治学院/ストラスブール大学/グルノーブル・アルプ大学/ジュネーヴ大学
などがあります。また、フランス語圏ではない国でフランスのことを学ぶという方法もあります。
◇卒業論文について
卒業論文は、後期課程で学んだことがらを学問的な形式で発表する、いわばフランス科での生活を集大成する機会です。その論文は、フランス語で執筆しなければなりません。一筋縄ではいかないかもしれませんが、もちろん相応のバックアップ体制があります。
論文のテーマは多様で、この多様性は、フランス研究コースの特徴の一つとなっています。実際にどのような卒業論文が提出されたのか知りたい方は、「卒業論文紹介」のページをご覧ください。
◇進路について
フランス研究コースを卒業し、大学院に進む方も多いですが、就職される方も多くいます。フランス研究コース卒業生の就職・進学先について知りたい方は、「進路」のページをご覧ください。
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本研究コースの簡単な紹介は以上です。詳細を知りたい方、質問などある方はフランス科アドレスsec.komaba.fr@gmail.comまでご連絡ください。